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は、主に「新憲法草案」についての、私の考えていることをお伝えします。


by reodaisuki1

新憲法草案注解 (国民の責務)第十二条

 わたしが、自民党の新憲法草案の第一次案を最初に読んだとき、案の「公益と公の秩序」に違和感を引っかかるものを感じた。まず、ひっかかったのが、「公益」という言葉だった。これは最近「国益」「国益」と叫ばれているのが、気になっていたからである。その次に、「公の秩序」も気になった。権力を握っている人たちが、「秩序」と言うとき、それは、「おれたちの言うことを聞け。」ということなのである。これは自民党の人たちがつくったのだから、自民党の言うことを聞け、ということである。「人権、人権と言って、わがままを言う者たちよ、おれたちの言うことを聞け。」ということである。

 新憲法草案第十二条は(国民の責務)であって、
 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、保持しなければならない。国民は、これを濫用してはならないのであって、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚しつう、常に公益及び公の秩序に反しない自由を享受し、権利を行使する責務を負う。

 現行憲法 第十二条
 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

 現行憲法は、基本的人権については、国民が不断の努力によって、保持されるべきである、ということが主である。ただ自分の人権ばかり主張して他の人の人権を無視するようなことをしてはいけない、ということである。
 ところが、案は、基本的人権を制限することばかり考えている。「公益」と「公の秩序」の名によって、人権の保障を骨抜きにしようとしているのである。このことによって、自民党は、自分たちが「人権」について全く無理解であり、人権などはどうでもいいと思っていることを暴露している。
むしろ、「人権」を言う人たちが邪魔で仕方がないと宣言しているようなものである。近代憲法は、人権の保障が中心なのに、それに対する理解がない。中世の古い世界の住人なのである。この草案を書いた人々は。新しい憲法などとは笑止の限り。あまりに封建的である。
by reodaisuki1 | 2006-04-19 21:53 | コラム