は、主に「新憲法草案」についての、私の考えていることをお伝えします。


by reodaisuki1

新憲法草案注解 (天皇)第一条(3)

 現行憲法の第1条は、こうである。

 第1条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

 これが、新憲法草案では、以下のようになっている。

   (天皇)
 第1条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。

 (天皇)というタイトルと送り仮名や仮名遣いの違いを現代に合わせているという形式的な違い
だけのように見える。しかし、新憲法草案の前文に「象徴天皇制は、これを維持する。」とあるために、意味がかわってきている。どういう具合にかわってきているか、はっきり言えないが、今までより、「天皇陛下万歳」の声が強くなるであろう。
 そもそも、象徴天皇制であっても、国民主権と平和主義と基本的人権の尊重と、矛盾するところがないか、という疑問がある。大日本帝国憲法では、国民は、臣民と言われていた。天皇主権であったのである。天皇をたてれば、国民がたたず、国民を立てれば、天皇が立たずということで、象徴天皇制が考え付かれ、「日本国の象徴」であり、「日本国民統合の象徴」ということになった。

 しかし、天皇に、基本的人権が基本的に保障されているかどうかは、はなはだ、あやしい。「基本的人権」や「国民主権」と、天皇制は矛盾したところをもっているのかもしれないのである。そして、戦前、戦中の天皇制は、軍国主義と不可分の関係にあった。そのために、「天皇の国事行為」というものが定められ、天皇が政治に関わらないように天皇制に制限がもうけられたのである。それゆえ、天皇の「地位は」「主権の存する日本国民の総意に基く」となっていた。これは、とりようによれば「天皇制をなくすことも、国民の総意に基く」までも、含むのではないか。そう考えると、新憲法草案の前文で、「象徴天皇制は、これを維持する」という一文を入れる意味は大きい。天皇制の強化であり、国民主権の弱体化であり、基本的人権を制限するものであると言えよう。基本的人権が保証されていない存在が、国民統合の象徴であるということは、本当は、困ることではないだろうか。ちなみに、天皇は、選挙権もないであろう。本当の意味で、思想・信条の自由もなく、言論の自由もないのではないか。「雅子」さんが、「皇室」に「適合」できないのは、むしろあたりまえではないか。これは、困難な問題である。しかし、これは、本当は、避けて通れない問題であろう。日本国民に残された課題なのである。この地位は、国民の総意に基づく、とはそういう意味をもっている。それを、簡単に「象徴天皇制は、これを維持する。」としてよいのだろうか。
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by reodaisuki1 | 2006-01-01 21:34